神社の静けさ
毎週木曜日は郊外へ仕事に行く。住宅街の裏道の途中に神社がある。実は20年前くらいからその前を通ってはいたのだけれど、一度も足を踏み入れたことはなかった。
きっかけは2年前の夏、駅の階段を下りたところで、足が足りなくて動けないクワガタを見つけたことだった。とっさに植え込みに置いたけど、やっぱり気になって、神社に連れて行くことにした。
ただ階段を上っただけなのに、そこは別世界のような静けさ。朝の慌ただしさからは無縁の空気が心地よかった。鬱蒼とした木々の中にクワガタを放し、お参りして仕事へ向かった。
その日からこの場所に毎週訪れるようになった。ほんのひと時だけれど自然と自分と静かに向き合える時間。草花に四季の移ろいを感じたり、木々のざわめきや鳥の声に耳をすましたり。
土地柄もあって、空を見上げていると、やっぱり神が宿るところなんだなと思ったりもする。
今日は雨上がり。鮮やかなアジサイが出迎えてくれた。それから、初めてみる細〜いカタツムリ。
ブログ再開します
今日の夕暮れ。とても眩しかった。
日没の空の変化はいつも心奪われる。完全な夜に変わってしまうまで、ずっと眺めていられたらいいのにと思う。
そんな贅沢な時間を過ごしたのはもう何年前だろう。篠栗の山の中で、私の敬愛してやまない恩師と仲間と共に、サンセットウォッチという活動をした。一番星をみつけたり、風の変化を感じたり。見上げた空は刻々と変化し続けて飽きることがなかった。夜が訪れた空とまだ夕暮れの光が残る空が同時に存在していた。近くの木々は、だんだんとシルエットに変わって行く。15人ほどはいたその場は、まるで人がいないかのように静かで、みんな思い思いの場所に座ったり寝転んだりして自然に溶け込んでいた。すっかり暗くなると、私のすぐ近くにタヌキが現れて、人間に気づくことなく、多分いつもと同じように、ウロウロして消えて行った。数名がそれに気がついて、後でその話で盛り上がったのもいい思い出だ。
その時の1泊の集まりでは他にも深い自然体験があった。それは一生忘れられない。そしてこれが大好きだった恩師との最後の時間となった。もっともっとたくさんの自然の素晴らしさを教えていただきたかったし、それを共有したかったと切に思う。